A. 歯ぐきから血が出る主な原因は、歯肉炎や歯周病による炎症です。

痛みがなくても歯周病が進行している場合があります。出血が続く場合は、歯科医院で原因を確認することが大切です。

「歯磨きをすると歯ぐきから血が出る」
「デンタルフロスを使うと出血する」
「痛みはないけれど、歯ぐきからの出血が気になる」

このような経験はありませんか?

歯ぐきから血が出る原因として多いのが、歯肉炎や歯周病です。歯ぐきの炎症によって出血しやすくなっている可能性があります。

特に注意したいのは、
歯周病は痛みなどの自覚症状が少ないまま進行することがある
という点です。

今回は、歯ぐきから血が出る原因や歯周病との関係、歯科医院での検査・治療方法、受診の目安について解説します。

歯ぐきから血が出る4つの主な原因

歯ぐきからの出血には、いくつかの原因が考えられます。

① 歯肉炎・歯周病

歯ぐきから出血する代表的な原因が、歯肉炎や歯周病です。

歯の表面に付着するプラーク(歯垢)には多くの細菌が含まれています。プラークが十分に除去されずに蓄積すると、歯ぐきに炎症が起こり、わずかな刺激でも出血しやすくなります。

歯肉炎は炎症が主に歯ぐきに限局している状態ですが、歯周炎に進行すると、歯を支える歯槽骨や歯根膜などの歯周組織が破壊されることがあります。

さらに進行すると、歯のぐらつきや噛みにくさなどの症状が現れる場合もあります。

② 歯磨きによる強い刺激

歯ブラシを強く押し付けたり、硬い歯ブラシで過度に磨いたりすると、歯ぐきを傷つけて出血することがあります。

また、デンタルフロスを無理に歯ぐきへ押し込むことも出血の原因になります。歯磨きの際は力を入れすぎず、適切な清掃方法を身につけることが重要です。

③ ホルモンバランスの変化

妊娠中など、ホルモンバランスが変化する時期には、歯ぐきに炎症が起こりやすくなることがあります。

特に妊娠中は、歯肉炎が生じたり、もともとの炎症が悪化したりする場合があります。このような時期こそ、丁寧な口腔ケアと歯科医院での管理が大切です。

④ 全身疾患や服用している薬の影響

糖尿病などの全身疾患は、歯周病の発症や進行に関係することが知られています。また、血液を固まりにくくする薬を服用している場合、出血が止まりにくくなることがあります。

まれに血液疾患などが関係している場合もあります。出血が自然に起こる、なかなか止まらない、鼻血や皮下出血なども見られる場合は、医科での確認が必要になることがあります。

歯ぐきから血が出ても、痛みがなければ大丈夫?

歯周病は、痛みがなくても進行している場合があります。

虫歯では冷たいものがしみたり、痛みが出たりすることがありますが、歯周病は初期から中等度の段階では自覚症状が乏しいことも少なくありません。

そのため、歯磨きの際の出血を気にしながらも、痛みがないため受診せずに過ごしてしまう方もいらっしゃいます。

しかし、歯周病が進行すると、歯を支える骨が徐々に失われることがあります。一度失われた歯周組織は、通常の歯周基本治療だけで完全に元の状態へ戻すことは困難です。

だからこそ、歯ぐきからの出血など、比較的早い段階で現れる変化を見逃さないことが重要です。

歯ぐきから血が出るときは、歯磨きを控えた方がいい?

歯ぐきから出血すると、歯磨きをするのが怖くなるかもしれません。

しかし、炎症の原因がプラークの蓄積である場合、歯磨きを控えてしまうと、かえって炎症が悪化する可能性があります。

大切なのは、歯ぐきを傷つけないように注意しながら、プラークを適切に除去することです。

歯ブラシは力を入れすぎず、小刻みに動かしましょう。また、歯と歯の間は歯ブラシだけでは清掃しにくいため、デンタルフロスや歯間ブラシの使用も効果的です。

ただし、歯間ブラシはサイズが合っていないと歯ぐきを傷つけることがあります。歯科医院でご自身に合った清掃器具や使用方法について指導を受けることをおすすめします。

なお、強い出血や痛みがある場合は、無理に磨かず、早めに歯科医院を受診してください。

歯ぐきからの出血が続く場合、いつ歯科医院を受診する?

歯磨きやフロスの際に繰り返し出血する場合は、歯周病などの可能性があるため、歯科医院で検査を受けることをおすすめします。

特に、歯ぐきの腫れ、口臭、歯のぐらつきなどを伴う場合は注意が必要です。

また、出血が止まらない場合や、強い腫れ・発熱などを伴う場合は、早急に医療機関へ相談してください。

歯周病が疑われる場合、歯科医院ではどのような検査をする?

歯ぐきからの出血が続く場合、歯科医院では歯周病の有無や進行程度を調べます。

① 歯周ポケット検査

歯と歯ぐきの間にある溝の深さを測定します。歯周ポケットの深さだけでなく、測定時に出血があるかどうかも重要な評価項目です。

この検査時の出血をBOP(Bleeding on Probing)と呼び、歯周組織の炎症状態を評価する指標の一つとして用います。

② レントゲン検査

歯を支える歯槽骨の状態を確認します。歯周病によって骨が失われていないか、どの程度進行しているかなどを評価します。

③ プラークの付着状態の確認

歯のどの部分に磨き残しがあるかを確認します。特に歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間は、プラークが残りやすい場所です。

患者さんご自身では気づきにくい清掃の問題点を確認し、適切なセルフケアにつなげます。

歯周病が原因だった場合、どのような治療をする?

歯周病治療では、原因となる細菌性プラークを減らし、歯周組織の炎症を改善することを目指します。

① ブラッシング指導

毎日のセルフケアは歯周病治療の基本です。患者さんのお口の状態に合わせて、歯ブラシや歯間清掃器具の使い方を確認します。

② スケーリング・ルートプレーニング

歯の表面や歯周ポケット内に付着した歯石やプラークを除去します。歯周ポケットが深い場合には、歯ぐきの内部にある歯根面の清掃が必要になることがあります。

③ 歯周外科治療・歯周組織再生療法

歯周基本治療を行っても深い歯周ポケットが残る場合などには、歯周外科治療を検討することがあります。

歯周病によって失われた骨の形態や欠損の状態によっては、歯周組織再生療法が選択肢となる場合もあります。

ただし、すべての歯周病に再生療法が適応できるわけではありません。歯周病の進行程度や骨欠損の形態、患者さんの全身状態などを総合的に判断することが重要です。

歯ぐきからの出血を予防するには?

歯ぐきの健康を維持するためには、毎日のセルフケアと歯科医院での継続的な管理が重要です。

歯周病は、治療によって炎症が改善しても、プラークが再び蓄積すると再発する可能性があります。

そのため、治療後も定期的な歯周組織の検査や専門的なクリーニングを受けることが推奨されます。

メインテナンスの間隔は、歯周病の進行程度や再発リスク、セルフケアの状態などによって異なります。

すべての方が同じ間隔で通院するのではなく、一人ひとりのお口の状態に合わせて管理することが大切です。

まとめ|歯ぐきからの出血は、お口の健康を見直すサイン

歯ぐきからの出血は、歯肉炎や歯周病などのサインである可能性があります。特に歯周病は、痛みが少ないまま進行することがあるため注意が必要です。


出血が続く場合は、自己判断で放置せず、歯科医院で原因を確認しましょう。

高槻ウィズデンタルクリニックでは、歯周病の検査・診断から歯周基本治療、必要に応じた歯周外科治療や歯周組織再生療法まで、患者さんの状態に合わせた治療に取り組んでいます。

私たちは、できる限りご自身の歯を長く残すことを大切にしています。

歯ぐきからの出血や腫れなど、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。

この記事の監修歯科医師

高槻ウィズデンタルクリニック 院長 貫野寛

貫野 寛

高槻ウィズデンタルクリニック 院長

日本歯周病学会認定医
日本顎咬合学会認定医

2008年 九州大学歯学部卒業

歯周病治療、歯周組織再生療法、精密根管治療など、天然歯の保存を目指した治療に取り組んでいます。

「大切な歯をできる限り長く残すこと」を基本理念に、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせた歯科医療を大切にしています。


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